ディンと殴る

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廃園


踏切が苦手である。
生まれ持ってなのか、育ってゆくうちになのかは知らんが、踏切が苦手だ。
正確に言うと、踏切を電車が通り過ぎる瞬間が苦手だ。
電車の車体が道を埋めつくし、視界を一辺に遮断する。
感覚としては、目の前の風景が切り取られた感覚だと思う。
そして、電車が通り過ぎる瞬間はとてつもなく長く感じる。
それはもう、何両編成やねんって思うくらいに。
永遠に電車がこの踏切を通り続けて、時間は止まってしまうのではないか、と思う。
その得体の知れない恐怖の種類は、他では味わったことがない。
空間をごっそりと削られた感覚で、怖いのである。
このまま時間軸のない踏切と電車だけの空間にワープしてしまうのではないか、と思う。
ただ、そんなことを考えているうちに、電車は通り過ぎ、踏切は開いていて、
後ろにいた車のクラクションで現実の世界に引き戻されて、
私は自転車のペダルを漕ぐ動作を再開するのである。
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21:30 : ラッパの落し物トラックバック(0)  コメント(0)

ア・ラカルト

小学校の頃の話である。
次の週に遠足に行くことになり、クラス中で盛り上がっていた。
そんな中で、一人だけ遠足に行きたがらない子がいた。
名はたけし。7歳である。
幾多の人生の試練を乗り越えて今ここにいる。
数々の社会のしがらみを振り切って今こうして学校にいる。
しかしながら、やはり遠足に行きたがらないと先生も困るところだろう。
教師が必死になってたけし君を説得していた。

先生「ねえ、何で遠足に行きたくないのかなー?きっと楽しいよー!」

たけし「・・・」

しかし、たけしは答えることがない。
何を話しかけても電源の切れた人形のように押し黙ったままである。
この光景が見るに耐えなかったのだろうか、友人のしげるが口を開いた。

しげる「なあ、みんなで遠足行こうぜ!楽しいって!」

そうとだけ言うと、今まで全く微動だにしなかった、たけしがピクリと動き、こう告げた。

たけし「マーマレードがよんでいるわ」

そう言い残したっきり彼は闇夜に姿を消し、

二度と戻ってくることは、なかった。
22:23 : 仏像トラックバック(0)  コメント(0)
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